Japanische Klassiker mit Furigana
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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――
炎の人――ゴッホ小伝――
三好 十郎
Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme
ベルト すると私などは、どっち?
ロート あなたは幸福なる――いや、あなただけは気ちがいじゃないね。まあ、気ちがい病院の看護婦と言う所かな。
ベルト あら、どうして?
ロート あなたは、金持ちの銀行屋の御亭主を持ち、愛し愛され、そしてサロン風のアトリエに坐って程よく美しい花の絵などを描いて、そうやって四十過ぎになっても三十前のように綺麗で色っぽくてさ、まだ恋愛の一つや二つはいたしましょうと言う――
ベルト よござんす。たんと皮肉を言って、おからかいなさいまし。
ロート からかうなどとは、とんでもない。うらやんでいるんです。ゴーガンなら皮肉を言うでしょうが、私は、うらやましい。ゴーガンは土人だ。私は地獄に落ちたウジ虫でね。このまま、バイドクと脳軟化とアルコールでグジャグジャと腐って行くことが残されているだけだ。「淫婦のごとく、脚空ざまに投げ出して、血にたぎり毒素を放し、しどけなくふてぶてしいザマをして、悪臭みてる腹をひろげて横たわる」うまいことを言やあがるボードレールと言う奴は。「悪臭みてる腹をひろげて横わる」
おかみ (売台の所から)ねえお前さん、ちょいと――(声が大きいので、こちらの話はやんでしまう)