Japanische Klassiker mit Furigana
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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――
炎の人――ゴッホ小伝――
三好 十郎
Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme
夫 そいでまあ、このりんごの絵なら飾っとくのに打って付けだと思いましてね。そこで、こんなに絵具がたんと塗ってあるんでやすから、二十フランは別に高いとは言うんじゃねえんですけどね、この、店の手入れに、えらい金がかかったんでね、まあ、一個だけ売ってもらえるとありがたいってわけで、なんでさ、四つで二十フランだから一個なら五フラン――
タン ……(さっきから、たまげ切って口だけパクパクさせていたが)だが、一個だけ、この、売ると言っても――そりゃ、せっかくの何だから、なんですけど、とにかく、四つ、こうして描いてあるんだから、それをあんた、どうして――
おかみ じゃ、これ、ハサミで切り取って差しあげたらどうだろう、一個だけ。ね、そうすりゃ、また残りも売れるんだから。(棚から大鋏を取り出す)
タン ま、ま。待ってくれ! 困ったなあ。いえね、これはあなた、セザンヌと言う、この、まあ天才の絵かきさんの描いた絵でございましてな。
婦 はあ、ホントに立派な絵ですわ。うちのロベールは美術品には、それはもう眼がないんですの。
タン ですけどね、この切って売ったとなりますと、セザンヌさんがガッカリなさるだろうと思いましてな、この――