Japanische Klassiker mit Furigana
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てんきぼ
点鬼簿
Lesen Sie 点鬼簿 (てんきぼ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.345 Zeichen · 9 Bildschirme
僕は又造作もなく投げ倒した。僕の父は三度目には「もう一番」と言いながら、血相を変えて飛びかかって来た。この相撲を見ていた僕の叔母――僕の母の妹であり、僕の父の後妻だった叔母は二三度僕に目くばせをした。僕は僕の父と揉み合った後、わざと仰向けに倒れてしまった。が、もしあの時に負けなかったとすれば、僕の父は必ず僕にも掴みかからずにはいなかったであろう。
僕は二十八になった時、――まだ教師をしていた時に「チチニウイン」の電報を受けとり、倉皇と鎌倉から東京へ向った。僕の父はインフルエンザの為に東京病院にはいっていた。僕は彼是三日ばかり、養家の伯母や実家の叔母と病室の隅に寝泊りしていた。そのうちにそろそろ退屈し出した。そこへ僕の懇意にしていた或愛蘭土の新聞記者が一人、築地の或待合へ飯を食いに来ないかと云う電話をかけた。僕はその新聞記者が近く渡米するのを口実にし、垂死の僕の父を残したまま、築地の或待合へ出かけて行った。
僕等は四五人の芸者と一しょに愉快に日本風の食事をした。食事は確か十時頃に終った。僕はその新聞記者を残したまま、狭い段梯子を下って行った。すると誰か後ろから「ああさん」