Japanische Klassiker mit Furigana
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れっぷ
烈婦
高田 保
Lesen Sie 烈婦 (れっぷ) von 高田 保 (たかだたもつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.072 Zeichen · 3 Bildschirme
「世界情勢吟」と題して川柳一句をお取次ぎする。
国境を知らぬ草の実こぼれ合い
なんと立派なものではないか。ピリッとしたものが十七字の中に結晶している。ところでこれがなんと、八十三歳のお婆さんのお作なのだ、驚いていただきたい。
井上信子、とだけではわかるまい。が井上剣花坊の未亡人だといったら、なるほどと合点なさるだろう。「婦人朝日」誌上で紹介されていたのだが、こぼれ合う草の実こそは真実の人間である。真実の人間同士の間には国境などというあざといものはありゃしない。
この草の実のこぼれ合いを眼の中に入れてないところに、世界の政治の愚劣さがある。侵略とか防衛とかいうが、一たびこの十七字の吟ずるところに徹して考えるがいい。人間のあさましさ、百度の嘆息をしても足りぬことになるだろう。この句のこの味、もしもそっくり伝えられるものなら翻訳してもらって外国へも紹介したい。もう一寸早ければ、ダレスさんにお土産としてもって帰っていただきたかったところだ。
八十三歳の老婦人にしてこれほどの「世界情勢吟」をするのだから、日本の文学者諸君はさぞかし、と外国人はおもうかもしれぬ。