Japanische Klassiker mit Furigana
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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
Lesen Sie 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) von 須川 邦彦 (すがわくにひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 100.616 Zeichen · 201 Bildschirme
さらば、島よ、アザラシよ
「的矢丸には、いい薬がある。『熊の胆』もあるよ。よろこべ、『鼻じろ』の胆はようなしだ。あいつも命びろいをしたよ」
川口は、近ごろはじめて、胸をそらして、
「うあっ、はっはっ」
と、雷声でごうけつ笑いをした。それがまた、とてもうれしそうだったので、十五人も声をそろえて、
「うあっ、はっはっ」
と、大笑いをした。
食後、運転士から、一同に、
「的矢丸の人たちが、ここへ上陸するまでに、ズボンだけでもはいておけ。はだかは、もうおしまいだ」
と、注意した。
さらば、島よ、アザラシよ
かくて、この日の午後、的矢丸は本部島の沖に近よって、伝馬船一隻と、漁船三隻をおろして、乗組員は、十六人をむかえにきた。
的矢丸の船員は、島のあらゆる設備を見て、ただ感心するばかりであった。かめの牧場におどろきの目を見はり、われらの友アザラシの、頭やおなかをさすってみた。川口は「鼻じろ」を的矢丸の人たちに紹介した。
的矢丸船員も手つだって、龍睡丸の伝馬船と、的矢丸の四隻の小船とは、何べんも、島と的矢丸との間をおうふくして、荷物を運んだ。その荷物が、ふうがわりなもので、引っこし荷物のほかに、的矢丸の糧食にするため、たくさんの海がめと、石油缶につめた貴重な雨水が、三十缶、料理用たきぎとして、流木をまきにしたものが、八十五束もあった。