Japanische Klassiker mit Furigana
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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
Lesen Sie 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) von 須川 邦彦 (すがわくにひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 100.616 Zeichen · 201 Bildschirme
海がめの島、海鳥の島
「どうして、鳥にえさをやるのですか」
浅野生徒がきくと、漁業長は、目顔で島をさして、
「島のお墓へ、そなえたのだよ」
「でも、鳥が、横どりしてしまいました」
「鳥がとっても、心は通るさ」
一同は、しんみりとして、島を見つめた。
小笠原が大きな声で、
「だれだって、おしまいはお墓だよ。あたりまえのことだ。しかし、えらいもんだ、七年もがんばったのだよ。まったくえらい。どうだい、わかい連中は、がんばれるかい」
三人の青年は、ほとんど同時に、
「がんばるとも、十年だって――」
「本船のわかい連中は、えらい。これで、おいらも安心したよ。あっはっはっは……」
小笠原老人は、めいった気分を、笑いとばしてしまった。
こういっているうちにも、船はよく走って、陰気な岩山も、怒濤のひびきも、いつか後方はるか、水平線のかなたに、だんだん小さくなっていった。しかし、三人の青年船員の胸には、三十いくつの墓の話が、なかなか消えなかった。
――まさか、自分たちもそんなことに――
と、思うのではなかったが……
海がめの島、海鳥の島
いま、われらの龍睡丸は、波をけたてて、ハワイ諸島にそって、北西に進んで行く。