Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むじんとうにいきるじゅうろくにん

無人島に生きる十六人

須川 邦彦

Lesen Sie 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) von 須川 邦彦 (すがわくにひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 100.616 Zeichen · 201 Bildschirme

Aozora Bunko

シャベルで、砂をすくいあげた。しかし、井戸ほりは、まったくの大仕事である。珊瑚質のかたい地面を、ごつん、ごつん、とほりさげ、シャベルで砂をすくって、ほうりあげるのだが、大男は、はだかの全身、水をあびたような汗。のどがかわいて、口のなかが、からからになって、声も出ない。水だ、水だと、水をほしがるのである。その水を出そうとして、いまほっているのだ。井戸ほりが、いちばん先に、まいってしまいそうだ。

「元気を出せ。十六人の命の水だ。今じきに、蒸溜水を飲ませるから」

こんな場合、百千のことばではげますよりも、一さじの蒸溜水の方が、どんなにききめがあるか、よくわかっている。早く蒸留水を、ごくごく飲ませてやりたい。しかし、蒸溜水は、そう、たやすくはできない。

島を、大いそぎで一まわりしてきた、漁業長と小笠原ら、斥候の報告は、

「島の面積は、四千坪(約百三十二アール)ぐらいです。北の方に、一町(約百十メートル)も砂浜つづきの、小さな出島があります。出島は、三百坪(約十アール)もありましょうか。そこには、ヘヤシール(小型のアザラシ)が、三十頭ぐらい、ごろごろしていました。