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Japanische Klassiker mit Furigana

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むめいさっかのにっき

無名作家の日記

菊池 寛

Lesen Sie 無名作家の日記 (むめいさっかのにっき) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.441 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

山野の天分が認められるということが、当然であればあるほど、俺の反抗は、無意味でかつ淋しかった。俺はもう目を閉じて、あいつの華々しく打って出るのを、辛抱するよりほかに、どうとも仕方がないのだ。ただ、あいつに対抗する唯一の方法は、俺があいつと同時に、文壇へ出て行くということであった。俺は、そう考えると、ふたたび俺の創作「夜の脅威」のことを思い出した。それはあまりに頼りにならないものに相違なかった。が、文壇の水準以下のものとはどうしても思われなかった。俺は、今宵、図書館を出ると、すぐ中田博士の家へ急いだ。「夜の脅威」についての批評を聞いた上、ぜひともどこかの雑誌へ推薦を依頼するつもりであったのだ。

中田博士は、都合よく在宅した。

俺は、博士と向い合うとすぐ、

「いかがです、いつかお願いしました脚本は、読んで下さいましたでしょうか」と切り出した。

「あ!」と博士はちょっと当惑の色を示したが、すぐ「あああれでしたか。つい忙しくって、読みかけのままですが、いずれゆっくり読んだ上で、まとまった批評をしましょう」と、いつものように、悠然と答えたが、俺は、博士がまだ一枚も読んでくれていないことを直覚した。