Japanische Klassiker mit Furigana
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むもうだん
無毛談
Lesen Sie 無毛談 (むもうだん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.319 Zeichen · 17 Bildschirme
品物を受けとると、ジャケンなぐらい、ピシャリッと戸をしめるのよ」
すべて女中というものは、家人の前で恋をさゝやく筈はない。チャラ/\と裏口で御用聞きと歓談する女中の方が腹蔵ないかも知れない。無口、陰険、因果物の演技に巧なトン子さんは、人の知らないところで何をしているか見当がつかないように思われるが、妹は自分の目に見ていることだけ信用できるタチで、思いこんでいるのである。
そのころ私は自分の恋にかゝりきって、多忙をきわめ、ウワの空で暮していた。三日にあげず女の人から手紙がきて、私がまた郵便のくる時間になると落付かないから、妹は私を蔑んで、便所へ行くフリや、お水をのみにくるフリしなくっともいゝでしょう、堂々と郵便箱のぞきなさいな、などゝ冷笑する。
トン子さんが郵便屋の影を認めると、スイとでて行って郵便箱からとってきて、妹に渡す。
妹がタシナミのない嬌声をあげて、
「来ましたよ、来ましたよ、お待ちかねの物」
けれども、時には、私が便所へ降りる途中に運よく郵便屋の通りすぎる影を認める時がある。私が玄関からでようとすると、出会い頭に、トン子がとびだして、スイと私をすりぬけてでる。