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Japanische Klassiker mit Furigana

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むほうもの

無法者

豊島 与志雄

Lesen Sie 無法者 (むほうもの) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.837 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

反応は種々様々だった。

顔を真紅にして俯向いてしまう女もあった。

怒ったようにそっぽを向く女もあった。

ほほほと笑殺する女もあった。

「どうぞ、お伴させて頂きますわ。」と揶揄するように言う女もあった。

それだけで、志村は顔を挙げて反り身になり、素知らぬ風に煙草を吹かした。なんだか憂欝そうでもあった。心持ち眉根を寄せてることもあった。

実際に、何日の何時頃と、彼が誰かを誘ったことは、勿論機微に属する事柄ではあるが、一度もなかったらしい。

彼の「内緒話」を側で漏れ聞いた武原は、或る時、彼と二人きりで街路を歩いていた折、ふと尋ねてみた。

「フグの茶漬けとかいうものを、君は言ってたことがあるが、ほんとうにあるのかい。」

「あり得るね。」と志村は答えた。

「え、あり得る……。」

「鯛茶があり、シビ茶がある以上、フグ茶だってあってもいいさ。」

「勿論、あって悪いわけはない。食いに行こうか。」

志村はじっと武原の顔を見た。そしてまた歩き出した。

「男同士じゃ意味ないよ。」

武原はその言葉の意味が分らず、黙っていた。暫くして、志村はぽつりと言った。

「フグ茶だとか、割烹旅館とか、あんなものは、単に僕の意思表示の道具に過ぎないんだ。