Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶらいはうたず
無頼は討たず
山本 周五郎
Lesen Sie 無頼は討たず (ぶらいはうたず) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.446 Zeichen · 23 Bildschirme
「まあ待て、おれたちの面を潰す気か」
「は、放しておくんなせえ」猪之助が苦しそうに叫んだ、
「いまの、いまの一言で、今日までの半太郎どんの、苦しい気持がよく分った、私あ斬られます、これで借りが返せるんだ……」
猪之助は息をついて、
「その代り、半太郎どんに頼みがある、どうか、どうかお信のこと頼みます、今日まで云わなかったが、あれは私の実の子じゃねえ……死んだ女房の伴れっ子、おらとはこれっぽっちも血のつながりのねえ娘だ、半太郎どん、お信の行末を頼みましたぜ」
「半太郎、返辞をしてやれ」和田源が低く云った、
「もう断末魔だ、安心さして眠らせてやれ」
「き、きいてくれるか、半太郎どん」
「――承、承知だ」と云ったが、半太郎は思わずそこへどうと坐りこんだ。
猪之助は四辺を見廻して、
「甲府のはじめ、御一統、猪之助は二年あとたしかに庄兵衛どんを手にかけた、こ、これは立派な仇討だ……御一統で、お上への証人を頼みましたぜ」
「よし、和田源がたしかに引受けた」
「有難え。庄兵衛どんの血を、おいらの血で洗ったのだ、これで半太郎どんとお信の仲も、さっぱりと浄められるだろう――あとは、冥途で庄兵衛どんに詑びを云うだけよ」