Japanische Klassiker mit Furigana
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むだい(に)
無題(二)
宮本 百合子
Lesen Sie 無題(二) (むだい(に)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.471 Zeichen · 5 Bildschirme
世間知らずで母親のわきの下からチラリチラリと限りなく広く又深いものの一部分をのぞいて赤くなって嬉しがったりおびえたりして居る私の様なものが、これから云う様な事を切り出すのはあんまり荷のかちすぎた又云おうと思う全部は必してつくせまいとは思いながら、まだ若い何でも自分の考えて居る事を信じて居易い時の私の心は、それを思ってひかえて居る事が出来ない。思ったまんま間違ったものは間違ったなりに書きつづけて見る。
私の様なまだ知った様で世の中を知らないものは、自分の愛し又高いところへ置いて尊がって居る何でもをひきずりおろしてきままにされると云う事が、まことに自分の誤ちを知った時よりもつらい。
とうてい目を開いて又泣かないでは居られないほどに感じる。
丁度恋人の陰口をきいて逃げかくれる人の気持を持たなければならない。
何にかぎらず芸術と云うものを私は一通りでなく愛し又尊んで居る。
美術も音楽も――
まして文学は私が心中しかねないほど思って居るものである。
多少の迷信さえ持ってこの文学を――広く云えば芸術を愛して居る私は、この頃身ぶるうほどの不愉快さに涙をこぼさなければならないほどいやなみっともない言葉を、尊い芸術のために聞かなければならない時がある。