Japanische Klassiker mit Furigana
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フォカスをあわせる
焦点を合せる
夢野 久作
Lesen Sie 焦点を合せる (フォカスをあわせる) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.918 Zeichen · 40 Bildschirme
……ヘエ。それじゃ五十噸ぐらいですか……とか何とか、お付き合いにでも云おうもんなら……ハイ。待ってました。九十九点九分九厘で落第……と来るんだろう。土に噛じり付いても試験料をパクリ上げようという腹なんだからヒドイよ。そん時には流石の僕も、思わずグッと来てしまったね。何しろ若かったもんだから……篦棒めえ。どうでもなれという気になったもんだ。
「……ええ……しかし六十噸というのは試験の解答ですよ。天井までギッチリの勘定ですが、しかし実際をいうと、この問題は非常識ですね。本当にこの部屋に、それだけの石炭を詰め込んだら、壁と床が持たないでしょう。エヘヘヘヘヘ……」
と冷やかし笑いをして見せたら、試験官の奴、塩っぱい面をして睨み付けたと思うと、プリプリして出て行きおった。そこで僕も土俵際で落第したもんだと諦めて、その晩は久し振りに酒を呷ってグッスリ寝込んでいるうちに、いつの間にか夜が明けたらしい。下宿の婆さんがユスブリ起して「モウ九時だっせ。お手紙が来とりまっせ」と云うんだ。むろん落第の通知だろう。見たってドウなるもんか。勝手にしやがれと思い思い、何だか気になるから開けてみたら、豈計らんやだ。