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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼんのうひぶんしょ

煩悩秘文書

林 不忘

Lesen Sie 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.705 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

」

この大次郎の言葉に、祖父江出羽守は度胆を抜かれて、

「な、な、何だと? 貴様こそおれの真似をして――。」

「黙れっ!」

大次郎が叫んでいた。

「余は祖父江出羽守であるぞ。……遠州相良の城主、この祖父江出羽守と同一の服装をいたすとは、怪しからん奴――。」

そばに立っている文珠屋佐吉が、にやにやして両方を見較べたが、大次、なかなかうまいことを言うと思いながら、しかし心中には、一脈の疑惑を持ったので、こっちこそ本当の出羽守で、千浪を連れて泊り込んでいるほうが、伴大次郎なのかもしれないと、先刻大次の顔を見て、一緒に連れだってここへ来たのだから、万々そんなことはないけれど、だが、こうして見ると、まったくどっちがどっちともわからないのだ。佐吉としてはとっさに、こんな疑問が湧こうというもの。

驚いたのは出羽守である。

「ややっ! 余の名を騙るとは、不屈千万なやつ。余こそ遠州相良の祖父江出羽であるぞ。」

叫ぶより早く大刀片手に、すっと起ち上がっていたが、これだけ聞けばもう用はない。この出羽守の口から、一度名乗らせようとの魂胆だったのだから。

「うむ!」

と頭巾のなかで笑った大次、