Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Lesen Sie 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.705 Zeichen · 173 Bildschirme
あの、白覆面の乱暴武士が、お猿さまを斬り殺したために、猿の湯は効能を失った――あみだ沢の里人は、ひそかにそう言い合ったが、事実そうなのかもしれない。
秋が来て、満山の紅葉燃ゆるがごときころ、老体の弓削法外はこの傷が因で、千浪と大次郎に左右の手を取られながら、にっこりと寂しく、息を引き取ったのだった。
それは、山々に秋が深まって、阿弥陀沢に霜柱の立った朝だった。
転身異相画
その法外先生が永遠の眠りにつく時、枕辺の大次郎と千浪の手に、痩せ細った手を持ち添えて握らせ合い、
「改めて許す。今から、夫婦じゃ。末長く、な。」
千浪は、父の背に泣き伏して、大次郎の眼からも、大きな涙が、その、顔ぜんたい繃帯に包まれた上を滴り落ちる。
「泣くな、千浪。命数をまっとうして世を去るのが、なんで悲しいか――大次、女髪兼安と、道場を譲るぞ。千浪を頼む。道場を、な、道場をわしじゃと思って、盛り立てて行ってくれい。」
「先生! あの白の弥四郎頭巾の武士を、必ず捜しだして、きっと仇敵を討ちます!」
「先生ではない。父と呼べ、父と――。」
「父上! お恨みは、この大次郎がきっと霽らします。