Japanische Klassiker mit Furigana
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くまさんのふえ
熊さんの笛
小川 未明
Lesen Sie 熊さんの笛 (くまさんのふえ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.772 Zeichen · 6 Bildschirme
そして、ほんとうに、あちらのはてしない夕焼けの空まで、達するごとくに思われました。
「昨日よりも、今日は近くなって見えるな。」と、熊さんはいいました。
熊さんが、笛の名人であることは、村の人で知らぬものはありません。子供たちは、だまって、熊さんの吹く笛の音を聴きながら、沖の方をながめていました。そのうちに、まったく、日が沈んでしまったのであります。
「さあ、帰ろうか……。」
熊さんは、立ち上がりました。子供たちは、いっしょに後からついて、村の方へ帰ってゆきました。
まだ、独り者で、正直な熊さんは、みんなからかわいがられていました。子供たちは、学校から帰って、熊さんのところへやってきました。
「熊さん、僕に、笛を造っておくれよ。」と、頼みますと、
「ああ、そのうちに、いい竹を見つけて、造ってやろう……。」といいました。
「いつ、造ってくれるの?」
「いい竹が、見つからなけりゃだめだ。」
「竹やぶへいって、いいのを切ってくれば、いいじゃないか?」と、子供がいいますと、熊さんは、笑って、
「枯れた竹で造らなけりゃ、割れてしまうぜ。この冬、竹を切ってきて、枯らしてから、いい笛を造ってやろう。