Japanische Klassiker mit Furigana
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くまのでるかいこんち
熊の出る開墾地
佐左木 俊郎
Lesen Sie 熊の出る開墾地 (くまのでるかいこんち) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.070 Zeichen · 31 Bildschirme
藤沢は溜め息を続けた。佐平は、藤沢のその話の中から、将来に向けた秘密な計画を読み取ることが出来た。佐平は、だが、巡査の来るまでは、何も言うべきではないと、黙り続けていた。
巡査の来るまでには大分時間があった。そのうちに、四辺の小屋から、一人寄り二人集まり、がやがやと吾亮の屍を取り巻いた。やがて焚き火が始められた。そこから一番遠い地点にある吾亮の家には、知らせずにおく筈だったのだが、いつの間にか嗅ぎつけて妻が出て来た。伜の雄吾はその頃、敏感な少年期に達していたのだが、そこへは駈け出して来なかった。沈着な彼の母が、その場を見せないために、近所へ預けたのだった。そして吾亮の妻は、人々の背後の薄暗がりで、静かに泣いていた。
「東京からここまで来て、こんなことになるなんて……私達はこの先どうしたらいいんですか……子供だってまだ働けやしないのに……」
こう言って雄吾の母は啜り泣くのだった。
「岡本の奥さん。その方の心配はしないで下さい。私に責任があるんですから。その方の心配はしないで下さい。私が責任を負うんですから。」
併し彼女の心が、そんなことで穏やかになる筈がなかった。