Japanische Klassiker mit Furigana
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くまのでるかいこんち
熊の出る開墾地
佐左木 俊郎
Lesen Sie 熊の出る開墾地 (くまのでるかいこんち) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.070 Zeichen · 31 Bildschirme
今頃は自分のものになってたのに……」
こう佐平は言って見たが、それは既に遅い気の付きようだった。
藤沢は二夏を雄吾の母とその事務所で暮らしたのであったが、初雪が来て、その年もいよいよ札幌へ引き上げるとなると、彼は彼女を伴れて帰って行ったのだった。――それから後の噂は、藤沢は最近に妻を亡くし、ちょうど子供が無かったので、彼女を後妻に入れたのだと伝えた。
雄吾はその翌年の夏から作男の仲間に投げ込まれた。そして、藤沢の活溌な行動は加速度をもって進んだ。小作料の取り立ては厳しく実行された。貸し付けてあった開墾中の費用の取り立てにも彼は決して手を緩めなかった。どこの移住開墾者よりも貧しい一団の移住開墾者等は、暗い陰惨な日々の中で、子供が殖えるばかりだった。
その頃、開墾地には美しい娘が三人いた。お糸。おせん。千代枝。その三人は次から次と五年の間にいずれも同じようにして札幌へ伴れて行かれた。――最初、彼女達は畑から事務所へと、炊事婦に傭われて行った。給金が頗るよかった。彼女一人の働きによって、その一家は十分に潤された。事務所で食べさせてもらった上に、小作料と、借りた開墾費用を払っても、彼女の給金はなおいくらか残るのだった。