Japanische Klassiker mit Furigana
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くまのでるかいこんち
熊の出る開墾地
佐左木 俊郎
Lesen Sie 熊の出る開墾地 (くまのでるかいこんち) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.070 Zeichen · 31 Bildschirme
頭だけが興奮していて、脚にはほとんど感覚も力も無いような気がした。どうかすると、重心をさえ失いかけた。そして、ひどく咽喉が渇いていた。雄吾は無意識のうちに、開墾地帯に近い原始林の中を流れている谷川の方へ歩みをむけていた。彼は、きょときょとと四辺を見廻しながら、緩り歩いたり、急に駈け出したり、滅茶苦茶だった。
機会を取り遁がしてしまったことは、極度の嫉妬に燃え、復讐心に駆られていた雄吾にとって、前歯で噛み潰したいような経験だった。残念で、口惜しくて堪らなかった。がしかし、あのアイヌが、自分の将来を、自分の無謀な計画の中から救い出してくれたようにも思われた。けれども、雄吾の復讐心の火は消されはしなかった。彼はさらに、最も賢いところの悪辣な手段を考え出そうと努めるのだった。
浦幌川に流れ込むその清水の谷川の畔には、半分腐れかけた幾本もの大木が倒れていた。雄吾はそれらの大木を跨ぐのが面倒なので、猟銃を杖にして木から木へと伝い歩いた。そして、河原へ飛びおり、がぶがぶと水を呑んだ。
「雄吾!」
彼はびっくりして顔を上げた。彼は濡れた唇を掌で拭いながら、四辺に驚きの眼をった。