Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくだんたいへいき
爆弾太平記
夢野 久作
Lesen Sie 爆弾太平記 (ばくだんたいへいき) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.653 Zeichen · 98 Bildschirme
と来る。そこで云う通りにしてみると成る程、巻線香のカケラも見当らないから……ナアーンダイ……というので釈放する。
実に張合いのない話だが、しかし考えてみると無理もないだろう。水兵や警官は漁師じゃないんだからね。爆弾船の連中が持っている一本釣の道具が、本物かそれとも胡麻化し用の役に立たないものかといったような鑑別が一眼で出来よう筈がない。とりあえず糸を引切ってみればタッタ今まで使ったものかどうかは吾々の眼に一目瞭然なんだが……爆弾船に無くてはならぬ巻線香だって、イザという時に海に投げ込めばアトカタもない。もっとも生命から二番目のダイナマイトはなかなか手離さないが、その隠匿しどころが亦、実に、驚ろくべく巧妙なものなんだ。帆柱を立てる腕木を刳り抜いたり、船の底から丈夫な糸で吊したり、沢庵漬の肉を抉って詰め込んだり、飯櫃の底を二重にしていたりする。そのほか、狭い舟の中でアラユル巧妙な細工をしている上に、万一あぶないとなれば鼻の先で手を洗う振りをしながらソッと水の中に落し込む。その大胆巧妙さといったら実に舌を捲くばかりで、天勝の手品以上の手練を持っているんだからトテモ生やさしい事で捕まるものでない。