Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくだんたいへいき

爆弾太平記

夢野 久作

Lesen Sie 爆弾太平記 (ばくだんたいへいき) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.653 Zeichen · 98 Bildschirme

Aozora Bunko

……と思ううちに、その舳先に仁王立ちになった向う鉢巻の友吉おやじが、巻線香と爆弾を高々と差し上げながら、何やら饒舌り初めた。

船の中が忽ちピッタリと静かになった。吾輩も、友吉おやじが吾輩の代りになって講演を初めるのかと思って、ちょっと度肝を抜かれたが、間もなく非常な興味をもって、皆と一緒に傾聴した。

友吉おやじの塩辛声は、少々上ずっていたが、よく透った。ことに頭から日光を浴びたその顔色は頗る平然たるもので、寧ろ勇気凜々たるものがあった。

「……皆さん……聞いておくんなさい。私はこの爆弾を投げて、生命がけの芸当をやっつける前に、ちょっと演説の真似方を遣らしてもらいます。白状しますが私は今から十四年ほど前に、柳河で嬶と、嬶の間男をブチ斬ってズラカッタ林友吉というお尋ね者です。……それから後五年ばかりというものこのドン商売に紛れ込みまして、海の上を逃げまわっておりましたが、その間に警察署とか裁判所とか、津々浦々の有志とか、お金持ちとかいう人達が、吾々に生命がけの仕事をさせながら、どんなに美味い汁を吸うて御座るかという証拠をピンからキリまで見てまわりました。