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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

なぜ、ミマツ曲馬団は、こういうあやしい者にねらわれているのであろうか。団長と房枝が、おののいているうちに、その幕のむこうでは、一匹の大きな蜘蛛が、糸をたぐって、するすると、天井の方へのぼりつつあった。そのほか、誰もそこには立っていなかったのである。大きな蜘蛛が、幕ごしにものをいったとしか思われないのであった。

蜘蛛が、ものをいうことなんて、あるであろうか。

ほんとうの蜘味なら、そんなことはできない。しかし、もしもその蜘蛛が、作り物の蜘蛛であって、その蜘蛛の中に、小さな高声器と、そして小さなマイクとが入っていたとすると、本人は遠くにいながら、その蜘蛛のいる附近の話ごえを、盗みぎきすることもできるであろうし、また、遠くから、その蜘蛛の体の中にある高声器を通じて、こえを送ることもできるであろう。

だから、団長と房枝のそばに下っていた幕のうしろに下っていた蜘蛛は、そのようなたくみなぬすみ聞きをする高声装置ではなかったか。そして、天井から下っている蜘蛛の糸とみたのは、高声電流を通ずる電線ではなかったか。だから、蜘蛛そのものは、死んだ機械器具であって、このようなすぐれた装置をつかっている人間こそ、あやしい人物であった。