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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

そういう御面会の方なら、おい房枝、お前お目にかかって、よくお礼を申せ」

「ええ」

房枝は、はじめから、あの奥様ではないかと思っていたのだ。スミ枝の話で、それはまちがいなく、その方だとわかった。房枝は、はじめすぐにも、とんでいって、お目にかかりたいと思った。三十分前までの自分だったら、すぐとんでいったろう。しかし今の房枝は、なんだか気がすすまなかった。

(自分は、暗い運命の女だ。今もこうして、バラオバラコという怪人物から、脅迫をうけている身だ。今夜から、自分は、またどんな暗い道をたどらなければならないか知れないのだ。そういう呪われた身の上の女が、あのような上品な奥様におつきあいすることは、奥様をけがし、そして奥様に、まんいち危難をかけるようなことがあってはたいへんである。これは、おことわりするのがいいのではないか。すくなくとも、今夜呼び出しの事件が、すっかり片づいてしまうまでは)

房枝は、そんな風に思って、スミ枝、団長黒川が早く面会させようとすすめるのにかかわらず、へんじをにごしたのであった。

「あたし、お目にかからないわ。熱があって寝ています。舞台へは、やっとむりをして出ていますと、奥様にいってくれない」