Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme
そのまま、だれも花籠のことをいいださなかったなら、房枝も、やがてきっと、その大きな花籠のことを、わすれてしまったことであろう。ところが、ひきつづいて、とんでもないさわぎが、まき起ったのだ。
大音響
「おう、いやだ、いやだ。これは血じゃないかな」
とつぜん、ひとりの男が席からとびあがった。それは、同じ曲馬一団の黒川という調馬師だった。
彼が、指をさししめす卓子のうえには、どうも人の血らしいものが、たくさん地図のような形に、白布をそめていた。そして、なおもその附近には、手の形らしい血痕が、いくつも、べたべたと白布のうえについていた。そこは、ちょうど、あのうつくしい花籠がおいてあった前あたりであった。
「おお、これは血にちがいない。ぷーんと、あのにおいがするぜ」
「ほんとだ。だれの血だろう」どやどやと席をたって集ってきた三等船客や、船のボーイたちは、とつぜんふってわいたような怪事件の席をかこんで、くちぐちにさわぎたてた。
「どうも、へんだ」例の黒川という最初の発見者が、きょろきょろと、あたりを見廻した。
「おい、トラ十。トラ十は、どこへいった」彼は、なおもきょろきょろと、あたりを見廻したのだった。