Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

「おい、トラ十が、どうしたんだ」仲間の一人が、黒川の肩をたたいた。

「なぜって、お前、トラ十が、急にいなくなったんだ。室内の電灯が、消えるまでは、ちゃんと、おれの横に腰をかけていたんだがなあ。どうも、へんだ」

「トラ十のことなんか、どうでも、いいじゃないか」黒川は、つよく、かぶりをふって、

「いや、どうでもよくないことはない。なぜってお前、あの血は、トラ十が坐っていた席に流れているんだぜ」

「えっ、あの席には、トラ十が坐っていたのか。そいつはたいへんだ! 早く、それをいえばよかったんだ」

さわぎは、ますます大きくなっていった。そのさわぎをすぐ知らせたものがあったと見えて、事務長が、かけつけた。

事務長も、黒川の話をきいて、おどろいた。そして、すぐさま、トラ十こと丁野十助のありかを、手わけして、探させたのであった。

電灯が消えてから、まだ、ものの二十分ぐらいしかたたないのに、トラ十は、どこへいったか行方がわからなかった。

「まさかと思うんですけれどねえ。事務長さん」と、黒川は、いった。

「まさか、どうしたというんですか」

事務長は、太った体を、黒川の方にむけた。