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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

そこを出ると、房枝は、わざわざ暗い裏町をえらぶようにして、ただ黙々としてあるきつづけるのであった。困ったのは、そばについて、一緒にあるかされているスミ枝だった。何を話しかけても、いつになく強情に、房枝はへんじ一つしなかった。

「ねえ、房枝さん。あんた、いじわるね。あたしにあいたいとか、かゆいとかぐらいへんじをしても、ばちがあたりゃしないでしょう」

スミ枝は、とうとう怒り出した。それでも房枝は、頑としてへんじをしなかった。これにはスミ枝も、全く手をやいてしまったが、ふと思い出して、

「そうそう、房枝さん。あのいい奥様が、あたしかえろうとすると、それを引止めて、こんなことをいったわよ。あの、いつだか、あの奥様があんたにくれたあの手箱ね、あの手箱に張ってあるメリンスのきれがあるでしょう。あのメリンスのきれに、あんたがおぼえがないか、きいてほしいといってたわよ。あのきれは、奥様が自分の棄子に着せてやった袷の共ぎれなんだってよ」

「えっ、スミ枝ちゃん、何だって」

今の今まで、ろくにへんじもしなかった房枝が、これをきくと、急にものをいいだした。スミ枝は、あきれながらも、房枝が口をきくようになったことをよろこんで、くりかえし説明をした。