Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme
BB火薬
曾呂利本馬は、もう解消して、名探偵帆村荘六は、顕微鏡からはなれた。
彼は、きりりとした顔で、またしばらく、あたりの様子をうかがっていたが、まだ誰も、この医務室に近づく者がないことをたしかめると、後へふりむいて、卓子のうえから、一本の試験管をとった。
なにをするのであろうか?
帆村探偵は、そのガラスでつくった試験管の中へ、BB火薬らしいもので黒くなった花片を、しきりにむしりとって、つめこんだ。
それから、薬品のならんだ棚から、ある薬品の入った壜をとると、栓をぬいて、無色の液体をすこしばかり試験管につぎこんだ。
(こうしておけば、大丈夫、保つだろう――)
彼は、試験管にコルクの栓をした。それから、器用な手つきで、封蝋を火のうえで軟かくすると、コルクの栓のうえを封じた。それで作業は終ったのであった。
それがすむと、こんどは肘かけ椅子のところへもどり、右足の繃帯を、くるくるとときはじめた。
足をはさんでいる板切が、むきだしにあらわれた。
(ここへ入れておけば、安心だ)
彼は、試験管を、板切の間にさしこんだ。それからふたたび繃帯を、元のように、ぐるぐると巻きつけたのであった。