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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちちすぎやましげまるをかたる

父杉山茂丸を語る

夢野 久作

Lesen Sie 父杉山茂丸を語る (ちちすぎやましげまるをかたる) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.127 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

父が何でも独創でなければ承知しない性格と、後年の建築道楽の癖を、私はこの時から印象して、心から「お父さんはエライ」と思い込んでいた。

三度目に帰省した時に父は鼻の下の髭を剃った。そうしてお祖父様にコンナ事を話した。

「私は社会と共に堕落して行きます。まず第一段の堕落でアゴ髭を剃り、今度の第二段の堕落で鼻の下の髭を剃りました。この次には眉毛を剃って俳優に堕落し、第四の堕落ではクルクル坊主になるつもりですが、まあ、そこまで行かずとも世の中は救えましょう。アハハ」

泣き中気のお祖父様は、そんな父の言葉を聞く毎に泣いておられた。

職人町から歴林町に引越した時に、お祖父様は亡くなられた。発病以来七年目、私が十二の年であった。中風に肺炎を併発したのが悪かったのであったが、お祖父様が無くなられると直ぐに父は茶を命じて一同を落ち付かせ、お祖父様の清廉潔白の生涯について批評めいた感想を述べ初めたので、皆、シンとなって傾聴していた。私は永年可愛がって下さったお祖父様がイヨイヨホントウに死なれたのかと思うと泣いても泣いても泣き切れない位、悲しかったので、父が何を話していたか殆んど聞いていなかった。