Japanische Klassiker mit Furigana
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ちちおやとじてんしゃ
父親と自転車
小川 未明
Lesen Sie 父親と自転車 (ちちおやとじてんしゃ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.677 Zeichen · 4 Bildschirme
吉坊は、父親に、自転車を買ってくれるようにと頼みました。
「そんなものに、乗らなくたって、いくらでも遊べるでないか、ほかの子供をけがさしてみい、たいへんだぞ。もうすこし大きくなってから、買ってやる。」と、父親は頭を振りました。
「清ちゃんも、徳ちゃんも、みんな自転車を持っているのに、僕だけ持っていないのだもの、つまんないなあ。」と、吉坊は、いくら頼んでもむだなことを悟ると、歎息をしました。そのくせ、父親は金があれば、すぐに酒を飲んでしまうことを知っていたのです。
吉坊は、外へ出ると、友だちが自転車に乗って、愉快そうに走っているのを、うらやましそうにながめていました。
「あんなに風を切って、走ったら、どんなにかおもしろいだろうな。」と、清ちゃんが、頭の髪をなびかせて、走っているのを見て、思いました。
吉坊は、両手を頭の上にのせて、清ちゃんがあちらへゆけば、その方を見送り、こちらへくればまた目を放さずに、迎えていました。
清ちゃんは、吉坊の立って、見ているのを知っていました。しかも、きょう学校の帰りに、豆腐屋の長二に、自分がいじめられているのを、吉坊が助けてくれたのを、けっして忘れませんでした。