Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼたんとうき
牡丹灯記
田中 貢太郎
Lesen Sie 牡丹灯記 (ぼたんとうき) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.377 Zeichen · 15 Bildschirme
「観燈の晩に知りあって、それから毎晩泊りにきてたが、邪鬼だろうか」
「邪鬼も邪鬼、大変な邪鬼だ」
「奉化の者で、お父さんは州判をしてたと言ったよ、湖西に婢と二人で暮してると言うのだ、そうかなあ」
「そうとも、邪鬼だよ、わしがこんなに言っても、ほんとうと思えないなら、湖西へ行って調べてみるがいいじゃないか、きっとそんな者はいないよ」
「そうかなあ、たしかに麗卿と言ってたが、じゃ行って調べてみようか」
その日喬生は月湖の西縁へ行った。湖西の人家は湖に沿うて彼方此方に点在していた。湖の水は微陽の射した空の下に青どろんで見えた。そこには湖の中へ通じた長い堤もあった。堤には太鼓橋になった石橋が処どころに架って、裸木の柳の枝が寒そうに垂れていた。
喬生は湖縁を行ったり、堤の上を行ったりして、符姓の家を訊いてまわった。
「このあたりに、符という姓の家はないでしょうか」
「さあ、符、符といいますか、そんな家は聞きませんね」
「若い女と婢の二人暮しだということですが」
「若い女と婢の二人暮し、そんな家はないようですね」
何人に訊いても同じような返辞であった。そのうちに夕方になって湖の面がねずみがかってきた。