Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうじんはわらう
狂人は笑う
夢野 久作
Lesen Sie 狂人は笑う (きょうじんはわらう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.853 Zeichen · 26 Bildschirme
身動きなんか無論出来ないのですから、お茶は介抱人に飲ましてもらう。その時のお茶の味が又、特別においしいのだそうで、身体中がお茶の芳香に包まれてしまったようなウットリとした気持になるのだそうですが、やはり神経が弱り切っているせいでしょうね。その代りに糞も小便も垂れ流しで、ことに心神消耗の極、遺精を初める奴が十人が十人だそうですが、そんなものは皆、茶博士たちが始末して遣るのだそうで、実に行届いたものだそうです。
こうして二三週間も経つうちに、最初は麓の近くに在った新茶の芽が、だんだんと崑崙山脈の高い高い地域に移動して行きます。それに連れて採取が困難になって来る訳で、やがて新茶が全く採れなくなったとなると、茶摘男と茶博士が一緒になって、その生きた死骸みたいに弱り切っている富豪貴人たちを、それぞれに馬車の中へ担ぎ込んで、牛酪や、骨羹なぞいう上等の滋養分を与えながら、来がけよりも一層ユックリユックリした速度で、故郷へ連れて帰るのです。つまり日中を避けて、朝の間と夕方だけ馬を歩かせるので、あんまり速く馬を歩かせたり、モウ夏になりかけている日光に当てたり何かすると、眼をまわしてヘタバル奴が出来かねないからだそうです。