Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうかしあかちょこべえ
狂歌師赤猪口兵衛
夢野 久作
Lesen Sie 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.418 Zeichen · 79 Bildschirme
半三郎は腹の底から長い長いため息を吐いた。
「それならば、その死骸を、あの墓原に持ち出いて斬りましたのは……」
「日田のお金奉行の手先、野西春行と申しまする美男の若侍。最初、蔵元屋の帳面調べに参りまするうちに、お熊さんの容色に眼を付けて嫁にくれいと申し出たものらしゅう存じますが、そのうちに横着者の継母のお艶が、欲と色との二筋道から、この人間を手に入れて置けば帳面のボロを睨まれる気づかいなしという考えで、腕に縒をかけて自分の方へ丸め込み、娘のお熊を邪魔にしたものと思われまする。一生を一か八かで張って行く、お艶婆の本性が、そこいらにも見え透いておりますようで……そこで姥桜の、古狸のお艶のスゴ腕に丸め込まれた野西は、お熊さんの変死を隠すため、又はお上の眼を晦まそうという考えから、蔵元屋の夜具を包んだ風呂敷にお熊さんの屍骸を包んで、この墓原へ持って来て、一刀両断に斬り棄てました。御覧なされませ。この風呂敷で御座います。あとでこの風呂敷の捨て処に困りました野西は、自分の定宿の博多大横町、鶴巻屋へ持って帰って、炊き付けるばかりにしておる風呂場の釜の奥の方へコッソリと押込んで、モトの通りに鉋屑を詰めて置きましたものと思われまする……ところが悪いことは出来ませぬもので、翌る朝、暗いうちに風呂番の若い衆が鉋屑に火を付けます