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Japanische Klassiker mit Furigana

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きつね

狐

岡本 かの子

Lesen Sie 狐 (きつね) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.039 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

さすれば、雑司ヶ谷のかの女は、その老爺と諜し合せて、狐のたくらみごとで十金の詐偽。貴公より十金誑し取ったに決った。そこであのあたりなおも処々尋ね廻り、きくところによると、あやつ、芸人上りの老父と心を合せ、同じ夫狐救い出しの狡計で、ほかに欺いた人も少なからずあるらしいということだ。

――それを知って貴公はどこが面白い。

――貴公はまた誑かされてどこが面白い。

――おれは十金で美しい夢を購ったつもりだが。

――えっ。

――だが、あの女はやっぱり狐じゃぞ、(大きな声にて)もしまだその辺にいるなら、その狐は女でない証拠にこんこんと鳴く筈だ。いやさ、女狐というものは恋い初め男のいうことは何でも素直にきくものだわ。やい、もしその辺に居らば一つ鳴いて見ろ、これ女狐……

おかん、藪の中にて袂を食いしばり忍び泣きを我慢しつつ

――は、はい……こん……こん。

――どうだ二見氏。

――妙だな。

――いや、あの鳴声を聞くと、さすが強気のおれも腹に沁みて、狐恋しうなる。(腕組)おれも鳴いてみたくなった。(恨然として)こん、こん。

霰の音激しくなる……

――こん、こん……、こん……

――こん、こん……こん、こん……