Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

たぬきとはいじん

狸と俳人

田中 貢太郎

Lesen Sie 狸と俳人 (たぬきとはいじん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.736 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

安永年間のことであった。伊勢大廟の内宮領から外宮領に至る裏道に、柿で名のある蓮台寺と云う村があるが、其の村に澤田庄造という人が住んでいた。

庄造は又の名を永世と云い、号を鹿鳴と云って和歌をよくし俳句をよくした。殊に俳句の方では其の比なかなか有名で、其の道の人びとの間では、一風変ったところのある俳人として知られていた。

庄造は煩雑なことが嫌いなので、妻も嫁らず時どき訪れて来る俳友の他には、これと云って親しく交わる人もなく、一人一室に籠居して句作をするのを何よりの楽しみにしていた。

某年の晩秋の夕のことであった。いつものように渋茶を啜りながら句作に耽っていた庄造が、ふと見ると窓の障子へ怪しい物の影が映っていた。庄造は不審に思って衝と窓の障子に手をかけたが、何人か人だったら気はずかしい思いをするだろうと思ったので、其のまま庭前へ廻って窓の外を見た。窓の外には一疋の古狸が蹲まっていたが、狸は庄造の姿を見ても別に逃げようともしないのみか、劫ってうれしそうに尻尾を掉るのであった。庄造は興あることに思って、家の中から食物を持って来て投げてやった。と、狸は旨そうにそれを食ってから往ってしまった。