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Japanische Klassiker mit Furigana

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ろうしつき

狼疾記

中島 敦

Lesen Sie 狼疾記 (ろうしつき) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.540 Zeichen · 47 Bildschirme

Aozora Bunko

――(更に何年か経って、今度は、反対に、どのような愚劣醜陋な事柄でも、崇高な事物と同様に、存在の権利を有ち、何らの醜い酬をも受けずに、美しいものと少しも変りなく、その存在を終えて行くことに、心の冷え行くようなむごたらしい感動を覚えたのだが。)――

(註2) 不思議なことに、小学生の頃の彼は、全体的な人類の滅亡などという考えにばかり紛れて、個人としての自分の死というものについては、それほど直接な惧れを感じなかった。それを感ずるようになったのは大分後のこと――中学生になってからのことだ。中学に入ってから目立って身体の弱くなった彼は、就寝後、眼をとじては、「死というもの」を――抽象的な死の概念ではなく、病弱な自分に遠からず訪れてくるに違いない、(本当にその頃彼は寿命の短いに違いないことを確信していた)直接的な死を考えた。自分の臨終の時の気持を考え、その瞬間から振返って見て感じるであろう・一生の時の短かさの感じ(それは二十年でも二百年でも同じ短かさに決っている)を彼は想像して見る。ああ、本統に、なんて短いんだろうと、誇示的にではなく、全くしみじみと、心からの頼り無さを以て、そう考えられるに違いない。