Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうしょくのはて
猟色の果
野村 胡堂
Lesen Sie 猟色の果 (りょうしょくのはて) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.611 Zeichen · 5 Bildschirme
曾ては両国の水茶屋の看板娘、国貞の一枚絵になったお絹は、宗三郎に引取られて江島屋の二度目の女房になりましたが、三年前の蔵前の大火事のとき、逃げ場を失って危うく死にかけた宗三郎を、猛火の中から救い出して、自分は半面の大火傷を受け、その醜い大火傷の故に、宗三郎に捨てられて、大川に身を投げて死んだ筈です。
宗三郎――耽奇の猟色に溺れた江島屋宗三郎は、翌る朝庭の池の中から、溺死体になって発見されました。
白装束の雪女の姿は、根岸の寮の召仕達も確かに見たと言います。それは妖怪でも変化でもなく、確かに人間であったに相違ないが、天保年間の人達は、其処まで詮索するほど物事を科学的には考えなかったのです。
唯一つ、お絹には、姉によく似たお仙という妹があり、同じ両国の水茶屋に奉公して、艶名を謳われて居りましたが、姉を変死させた江島屋の宗三郎を、ひどく怨んでいたことだけを伝えて置きましょう。火傷の跡などは絵の具と膏薬でどんなにでも偽装が出来ることで、手足に油を塗って凍傷を防ぎ、巧みに宗三郎の好奇心さえ囚えることが出来れば、此大芝居は案外簡単に打てるのです。