Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ねことしょうぞうとふたりのおんな

猫と庄造と二人のおんな

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.020 Zeichen · 131 Bildschirme

Aozora Bunko

「………何? 行ったとは限らん?………阿呆らしい! 人の家の台所借って、鶏の肉煮いたりして、リリーの所やなかったら、何所へ持って行きまんね。………それにしたかて、あの提灯持って帰って、あんな所に直してあったこと、お母さん知ったはりましたんやろ?………」

彼女が母親を掴まえて、あんなキンキンした声を張り上げることはめったにないのだが、しかしたった今、彼が床屋へ行っていた僅かな間に、どうやら先日の国粋堂が、あの時の立て換えと古提灯とを取り返しに来たのだと見える。ありていに云うと、あの晩庄造はあの提灯を自転車の先にぶら下げて帰って、福子に見咎められないように、物置小屋の棚の上に押し上げて置いたのであるが、お袋には見当がついていた筈だから、出して渡してやったのかも知れない。だが国粋堂は、いつでもいいようにと云っていながら、何で取り返しに来たのだろう。まさかあんな古提灯が惜しいこともあるまいに、この辺についででもあったのだろうか、それとも二十銭を借りっ放しにされたのが、腹が立ったのだろうか。それに又、親父が来たのか、小僧が来たのか知らないが、鶏の話までして行かないでもいいではないか。