Japanische Klassiker mit Furigana
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ねことしょうぞうとふたりのおんな
猫と庄造と二人のおんな
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.020 Zeichen · 131 Bildschirme
」
「それ、いつのことだんね?」
「昨日そない云うてなあ、―――リリーいてたらよう辛抱せんさかい、五六日うちに品子の方へ渡すことに、もうちゃんと約束したある云うねんけど、ほんまかいな。」
「それや。―――したことはしたけど、そんな約束実行せんかて済むように、何とかそこんとこ、あんじょう云うて貰えんやろか。僕お母さんにそれ頼もう思うててん。」
「そうかて、約束通りしてくれなんだら、去なして貰う云うてるねんで。」
「威嚇しや、そんなこと。」
「威嚇しかも知れんけど、そないまでに云うもん聴いてやったらどないや? 又うるさいで、約束違えたら。―――」
庄造は酸っぱいような顔をして、口を尖らせて俯向いてしまった。母から云わせて福子を宥める目算でいたのが、すっかり外れてしまったのである。
「あの娘あんな気象やよってに、ほんまに逃げて行くかも知れん。それもええけど、嫁を放っといて猫可愛がるようなとこへ内の娘遣っとけん! 云われたらどないする? お前よりわてが困るわいな。」
「そしたら、お母さんもリリー追い出してしまえ云やはりまんのんか。」
「そやさかいにな、兎に角ここのとこはあの娘の気持済むように、一遍すうッと品子の方へ遣ってしまいイな。