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Japanische Klassiker mit Furigana

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ねことしょうぞうとふたりのおんな

猫と庄造と二人のおんな

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.020 Zeichen · 131 Bildschirme

Aozora Bunko

そうしたところで最後には矢張負かされて、同じ結果を見たかも知れぬが、でもそれだけの反抗もせずにしまったのでは、リリーに対して如何にも義理が済まないのであった。

もしもリリーが、あの尼ヶ崎へ遣った時代にあれきり戻って来なかったとしたら?―――あの時だったら、彼も一旦同意を与えて他家へ譲ったのであるから、きれいにあきらめもしたであろう。だがあの朝、トタン屋根の上で啼いていたのをやっと掴まえて、頬ずりをしながら抱き締めた瞬間に、ああ、不憫なことをした、己は残酷な主人だった、もうどんなことがあっても誰にもやるものか、死ぬまで此処に置いてやるのだと、心に誓ったばかりでなく、リリーとも堅い約束をした気持だった。それを今度、又あんな風にして追い出してしまったかと思うと、非常に薄情な、むごいことをしたと云う感じが胸に迫って来るのであった。その上可哀そうなのは、この二三年めっきり歳を取り出して、体のこなしや、眼の表情や、毛の色つやなどに、老衰のさまがありありと見えていたのである。全く、それもその筈で、庄造が彼女をリヤカーへ乗せて此処へ連れて来た時は、彼自身がまだ二十歳の青年だったのに、もう来年は三十に手が届くのである。