Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ねこせんせいのべん
猫先生の弁
豊島 与志雄
Lesen Sie 猫先生の弁 (ねこせんせいのべん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.898 Zeichen · 8 Bildschirme
徹頭徹尾、奴隷根性だ。気が向こうと向くまいと、用があろうと無かろうと、いつでも主人に尻尾を振って御機嫌を取ろうとする。本能的に、骨の髄まで、奴隷根性がしみこんでいる。いや、奴隷根性を除いては、犬自体の存在はない。犬は忠実だと言われるけれど、奴隷の忠実なんかに、いったい何の意味がありますか。愚劣と無自覚の標本にすぎない。」
犬の先生――「いや、犬はちゃんと自分の地位を知っています。智慧もあります。自分の職分を心得ています。自分の小屋の伏床に寝ね、時としては困苦欠乏にも耐え、盗賊などの外敵を防ぎ、人間の散歩のお供もする。猫にこそ、何の自覚もありません。鼠を捕るのはただ本能に由るだけで、それ以外、いったい猫に何の職分がありますか。」
猫の先生――「そんなことは、人間の功利心が言わせる言葉です。凡そ家畜動物の中で、猫ぐらい人間に近い生活をしているものがありますか。人間と同じ家屋の中に住み、同じ食物を食べ、同じ布団の中に眠り、而も跣足で屋内屋外を濶歩するなんか、人間以上だ。それというのも、猫は最も清潔な動物だからです。犬の臭気、水浴をしても温浴をしても決して取れない臭気、あの体臭はもう犬にとって致命的です。