Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ねこぐるま

猫車

宮本 百合子

Lesen Sie 猫車 (ねこぐるま) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.310 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

「おかあん、あした局へ行くで――」

「そいじゃ、見とかにゃ」

箪笥の引出しをあけて、おさやは白木綿の包みやら、庄平の恩給証書を出した。ついでに、

「こりゃ、どんなもんじゃろ」

一枚の株券を正一たちの前へ見せた。

「何であります?」

「坂口はんのや――警察に押えられてあったの、ようようかえして貰うたんじゃと、どういうもんか調べてくれと置いて行きよったんじゃが」

「これ、何で――その建鉄会社ちゅうの――」

「分らん」

直二が、兄のわきから口を尖らしてのぞき込みながら、

「五拾円と書いてある」

と云った。

「坂口はん、知っとってじゃないんでありますか」

「知らんの」

「反古とちがうのか?」

正一が気味わるそうな指つきで、その一応は印刷になっている株券をつまみあげたので、皆が笑い出した。おさやは改めてそれを手に取って眺めた。

「本当に値うちのあるもんやったら、なんぼ警察やて、半年も放りこんでとりあげちゃ置きやすまい。株屋は、つかまりよったんか?」

「つかまっちゃおらん」

「今は憲兵隊になっちょります」

と直二が生真面目に持前の大声で云ったので、又、笑った。坂口の爺をひっかけて、初め二百円程儲けさせ、千円ばかり出させた株屋が、現金の代り、今取引しかかっているのだがあなたが是非今日と云うならばと、その建鉄株を現金に相当な額面だけよこして、翌日は