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Japanische Klassiker mit Furigana

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さるとびさすけ

猿飛佐助

織田 作之助

Lesen Sie 猿飛佐助 (さるとびさすけ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.413 Zeichen · 60 Bildschirme

Aozora Bunko

一つは、五六三郎という奴が虫が好かんのだ」

「向うでも、貴公を好きとは言っておらんだろう」

「そうだ、そうだ」

と、三好はからかわれていることなぞに気のつかぬ鈍感な男だった。

「――この五六三郎という奴は、家老の家に生れたのを、笠に着て威張りよるのは、まず我慢出来るとして、のっぺりした顔をしやがって、頭のてっぺんから夏蜜柑のような声を出す。俺ア虫唾が走るんだ。第二の理由は、こ奴かねがね楓に横恋慕して、奥方を通じて、内々の申し入れ、それを楓がはねつけたものだから、奥方に入智慧して、歌の会の趣向など、たくらみおって、うむを言わさず、楓を娶ろうというその魂胆が気にくわぬ。第三の理由というのは……」

「おのれが一番いい歌を作るものと、はなから極めこんでいる、その鼻ッ柱が気にくわぬというのだろう」

と、すかさず佐助が言うと、

「そうだ。その通りよ。そこで貴公、病気の全快祝いだと思って、今夜の歌の会に出て、五六三郎の鼻を明かしてくれんか」

「俺ア断るよ。貴公出て、珍妙なる歌でも作るさ」

と、佐助が言うと、三好は坊主頭をかいて、

「ところが、俺ア笛と法螺なら、人並以上にうまく吹くが、歌と来た日にゃ、からきしだめなんだ。