Japanische Klassiker mit Furigana
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さるとびさすけ
猿飛佐助
織田 作之助
Lesen Sie 猿飛佐助 (さるとびさすけ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.413 Zeichen · 60 Bildschirme
玄関につるしてある銅鑼を鳴らすと、
「どーれ」
出て来たのは三好清海入道よりまだ汚い、あらくれの坊主である。
「それがしは、信州真田の郎党、猿飛佐助幸吉と申す未熟者、御教授を仰ぎたい」
「上られい!」
草鞋を脱いで上ると、道場へ通された。
「流儀は……?」
と訊かれたので、にやにやしながら、
「何流と名乗るほどのものはござらぬが、強いて申さば、一流でござる」
と、答えると、相手はカンカンになって、
「当院は宝蔵院流といって、一度び試合を行えば必ず怪我人が出るというはげしい流儀じゃ。町道場の如き生ぬるい槍と思われては後悔するぞ。まった、当院は特に真槍の試合にも応ずるが、当院に於いて命を落した武芸者は既に数名に及んでいる。寺院なれば殺生を好まずなどと、考えては身のためにならんぞ!」
「なるほど、当院は人殺し道場でござるか。いやいや、感服致した。寺院なれば葬式の手間もはぶけて、手廻しのよいことでござるわい」
「…………」
相手はあっけにとられていた。
「したが、それがし目下無一文にて、回向料の用意もしておらぬ故、今ここで死ぬというわけには参りませぬて。あはは……」
「何ッ!」