Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 174.521 Zeichen · 344 Bildschirme
中條さーん。電報よ。アス九ジタツムカエタノムサキエ。あすというのは、いつでしょう。もとのように電報のつく時間というものが、はっきりしていれバ、こんな心配いたしませんが、近頃は途方もないから、アスと云ったって、きょうかとあわてる次第です。丸の内へ電話し、駒込へ電話し、つまりあしたなのだとあきらめました、局では控えおかないんですって。
さて、きょうは仔犬遊びしてから、たまっていた手紙どっさり書きました。そしてこれも書き出しました。外へ出ないときめた日は、何といい心持でしょう、わたしは毎日出るというのがごくにがてです。
何だか、すこし日ざしがかげって、楓の樹の幹が黒ずんで見えて来ました。夕立っぽいのかしら。よく見て、ふとんとりこまなくてはいけないかもしれないわ。一寸待って。
ね、やっぱり。面妖な雲が東の空、西の空に現れました。ふとん干して降られたら眼も当てられず。いそいでとり込むなんて出来ないんですもの、重くて、大きくて、おまけに高いところにかけるから。
こうしてしまってしまえば安心よ。あなたのところへ、冨美ちゃんの可憐な二十円也と達ちゃんたちの写真をお送りするこしらえをいたしました。