Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 174.521 Zeichen · 344 Bildschirme

Aozora Bunko

人類の歴史の豊かさは、どこも一人の人間が二百五十年生きつづけないところに却って在りそうですね。短かさを知って精一杯にそれを生きるよさに在りそうね。デモ、自分の原子ガ別ノモノニナッタトキ、自覚シナイカラツマラナイ。生れかわりたい欲望は人間につよいものなのね。輪廻の思想が生れたりして。

ぐっすりお眠りになれるのは本当に助けの神です。それ丈お疲れになるということですが、それにしろ眠れるのは助かります。もうすこしの辛棒で秋涼になります、かけぶとんの綿の柔かい暖かさが可愛ゆく感じられるように。今年の夏わたしは万端一人でしたから疲れも去年よりひどかったのよ、去年はうちのことちっともかまわないでよかったから。では又、呉々お大切に。

九月一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕

九月一日

きょうは二百十日です。涼しい朝でした。十時頃ですが、まだ日よけの葭簀の下に朝顔が開いていて美しゅうございます、ひどい蓬生の宿になってね、その雑草の中に、這い次第に咲く朝顔は風情深うございます。春休みに太郎が来たとき蒔いたのが今咲いているのよ。秋の朝顔という字もきれいです、早い夏のは凡俗ですが。