Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 174.521 Zeichen · 344 Bildschirme
たしなみがいいでしょう? 一人だと却ってそういう早業がききます、気が揃うから。然し、一人きりなのは神経の緊張が自分で心づかずにゆるまなくていけませんね。こわいというのではないわ。緊張のゆるまなさ。昨夜もそれについて思いました。自分なんかこんなことでさえそれを思うのだが、と。自分で自分をくつろがせてやる術も入用ね。神経の緊張をゆるめる術を会得することは、私に特に必要でしょうと思います。やった病気の性質からね。
ブランカのくつろぎかたは一風あってね、かたくなったような頭を、一つのしっかりとした胸のところへもってゆきます。それは爽やかに、春の紺の染色が匂っています。その紺の匂いと胸の厚さには限りないあたたかみがこもっていてね。黙ってじっとそうやっているうちに、息がやさしくなって、次第にすやすやした自分を感じます。紺の匂う胸は、格別その間に一こともいうわけではないのよ。ただ頭をもってゆくと、すこし動いて、おさまりのいいように、羽づくろいをするような丈です。その微かな身じろぎに何と深い深い受け入れが溢れているでしょう。タンボリンはしずかに鳴りはじめます。冬でさえもそこには春のあった風が渡ったせいでしょうか、それとも二つの息があまり美しく諧調を合わせたせいでしょうか。