Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 174.521 Zeichen · 344 Bildschirme

Aozora Bunko

ごたごたしたところだし、実家に遠いし、来てもいい気があるらしいのです。きのう午後細君をよこすということにしておいたのにウーでおじゃんになってしまいました。きょう来るかしら。若い夫婦きりです、伝八さんは電気やさんで放送局の技術試験にパスし、小僧さんから仕上げたにしてはしっかりものでしょう、さらりとした気質です。わたしは、これで案外遠慮をする方だから、他人が一緒に暮すのも、というところもありますけれども、昨今は不用心と義理(隣組)とで、一人ではやれません。このあたりにさえ小供を手先に使うドロがいるのよ、三段構え位で、やるのですって。子供、不良夫婦、ドロと。うちはいざと云うとき迚も壕へもちこめないから日頃から何かしまっておきますし、私一人で、出かけるときは暖い用意のキモノだの、こうして書く道具の入った袋だの皆壕へしまって出かけるのよ、そしておばあさん、娘、孫息子と三匹の犬に、タノンダゾヨ、と出かけます。心元ない仕儀と申すべきです。ですから、誰か一人はいるものがないと、ね。このあたりは家との比較でみんな無人です、うちは極端ですけれど。これから加速的に不用心になりますものね。