Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 174.521 Zeichen · 344 Bildschirme
一種の逃避だったのね。
三十一日に手つだいのひとも居なくなり、わたしと国男。国は三十一日に汽車の都合で帰ったが、その晩は私が留守だったというので友人宅へとまり二日にかえり、三、四、五とよそへ泊って昨夜久しぶりで在宅。私は、丁度こちらへ引越したり病気したりした間に、配給の様子が分らなくなっていたから、急に全部一人でやって大疲れです。おとなりの人たちがよく助けて下さるのでやれますが。でもこう思っているのよ、どこで一人で暮したりするにしろ、やはり同じくパタパタで、しかも手助けしてくれる人もないのでしょうから、これが今の市民生活の実際だと思ってね。朝七時におき御飯のことして、それから国がダラリダラリと仕度して十時すぎになってやっと出かけます。今日は、そしたら手紙とたのしみにしているところへペンさんね、あれが来て、やはりきいてもらいたい愚痴。でもそう云って笑いました。この頃は二円のクリームに三円八十銭の不用な香水をつけて買わされるのだから、ひとの境遇にも同じようなことが起って、わたしだって巣鴨へ便利で市内で、電話があって、余り危険でないという住場所の必要のために、此だけの辛棒しているのだから、あなたもそう思いなさい、と。