Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 174.521 Zeichen · 344 Bildschirme
夕方なんか、ふっと待っているところへ入っていらっしゃるのはあなたでありそうな気がしたり致します。目白のもとの方の家の二階の灯の下で待っていたのを思い出します、アンカは小さくても足の先は暖かでしたね。
きょうは、日がさしはじめたけれどうすら寒いもので、可愛いアンカ思い出したのでしょうか。
では明日ね、風邪をお引きにならなかったでしょうか。
四月十六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
四月十六日
きょうはいかにも若芽の育つ日の光りです。咲が帰って来て殆ど一週間わたしは公休でしたから、疲れもやっときのうあたりからぬけて、きょうはげにもよい心持です。久しい久しい間こんなに暢やかで、しずかで愉しい、気持ございませんでした。
きょうはね、一日ゆっくり二人遊びで暮せるのよ。素晴らしいでしょう。あっち二人は国府津の家を人に貸すについてとり片づけに出かけました。月曜の夜かえるでしょう。うちにはわたし達、あなたとわたし丈なの。それにわたしの疲れは休まっているのですもの。七時頃いい心持で眼がさめて、お喋りや朝のあいさつをして、なかなかあなたの御機嫌も上々のようよ。