Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.583 Zeichen · 240 Bildschirme

Aozora Bunko

それを中から錠をあけなくてはならないから。

この男は小柄で黒いリスのような眼をしたヒシの実のような形の顔をした男で実に重宝男です。元来は煙突掃除だったのが生来の器用が時勢につれて「世に出て」(その男の表現)今では主として、荷物の世話をして「金に不自由はしなくなりました」荷作り、リアカーの運搬、いかけ、大工の真似、出来ないのはドロの方と植木屋の由。生きたものと、他人のものとには手が出ない由です。器用らしく小さい男で、いいとっさまで、昨今の苦労は、いくらかたまる金をどうしてもちのいいものに代えるか、という問題です。家作も買ったそうですが、これには自信もないのよ、やければ其っきりだから。なかなか面白い話しかたで、八日に荷作しながら「お宅の旦那さまは、いい方ですが、どうして印ばんてんなんか召すんです?」というの。成程ねえ。わたしは台所で洗いものをし乍ら「動きいいんだとさ。あの人は美術学校なんか出ていて、昔あすこの生徒は豚にのって学校へ行ったっていう位だから、印バンテンなんかちょいと着たいんだろう。」「そう云えば絵をかく方なんか、みんなちょいと風が変っていますね。